ホンダアーバンEV…。このクルマは次世代をリードする電気自動車として、欧州で2019年に発売すると予測されるクルマ。
このクルマが2017年9月12日から開催されているフランクフルトモーターショーに出展公開されたもよう…。
今回はこのアーバンEVの情報について取材をすすめた結果をレポートしたいと思います。
目次
2017年フランクフルトモーターショーで「Honda Urban EV Concept」を世界初公開!
以下、公式サイトで発表されたプレスリリースの内容を掲載します。
Hondaの英国現地法人であるホンダモーターヨーロッパ・リミテッド(本社:バークシャー州ブラックネル 社長:井上 勝史)は、現地時間2017年9月12日に以下を発表しましたので、その内容をご案内いたします。
Hondaは、2017年フランクフルトモーターショー(プレスデー:9月12日~13日、一般公開日:9月14日~24日)において「Honda Urban EV Concept(アーバンイーブイコンセプト)」を世界初公開しました。
新開発のEV専用プラットフォームを採用するHonda Urban EV Conceptは、将来の量産EVモデルの技術とデザインの方向性を示すコンセプトモデルです。Hondaはこのモデルをベースにした量産EVを2019年に欧州にて発売します。
また、今後欧州で発売される全ての新型モデルにハイブリッドを含めた電動化技術を搭載することを併せて発表しました。
Honda Urban EV Conceptのエクステリアは、Hondaのスモールカーが作り上げてきた“キビキビした走りの楽しさ”と“愛着を感じる親しみやすさ”をシンプルに、アイコニックに表現しました。
ローアンドワイドのシンプルで洗練されたたたずまいと、欧州仕様の「ジャズ(日本名フィット)」よりも全長が100mm短い、都市の移動に最適なコンパクトサイズとしています。また車両のフロント部分には充電状況やドライブへの助言、挨拶などを多言語で表示できるディスプレイが設置されています。
インテリアは、リビングルームのような心地良い空間と大型ディスプレイの採用に加え、AI技術を用いたHonda Automated Network Assistantで“人とクルマとの新しい関係性”を提案しています。スリムなAピラーとワイドな前面ガラスにより、遮るものを最小限に抑え圧倒的な開放感を実現、フロントドアにはリアヒンジ式のコーチドアを採用しています。
木目調のフローティングコンソールを持つダッシュボードは、コンソール裏から左右ドアにまで伸びたスクリーンに囲まれ、両サイドのスクリーンはサイドミラーの機能として車両外部に取り付けられたカメラの映像を映し出します。
ダッシュボード上のスクリーンには航続可能距離を始めとした走行情報のほか、Honda Automated Network Assistantによるパーソナルコンシェルジュ機能により、ドライバーのライフスタイルや過去の行先、嗜好を学習して状況に応じた提案をするほか、ドライバーの表情や声の調子からストレス状況を判断して安全運転のサポートを行うなど、ドライバーとモビリティーの自然なコミュニケーションを実現しています。
さらにHondaは、効率的なエネルギーマネジメントを実現する「Honda Power Manager Concept(パワーマネージャーコンセプト)」を同時に発表しました。
Honda Power Manager Conceptはモビリティーと暮らしをつなぐパワーコンディショナーで、太陽光などの再生可能エネルギーや燃料電池車によって発電した電気と系統電力をやり取りして、家庭・EV向けに必要に応じた充放電を行います。
Hondaはフランス政府が主導するSMILE(SMart Ideas to Link Energies)プロジェクト※に参加し、フランス西部で2020年までに展開される実証実験にPower Managerを提供します。
※IoT技術の活用や再生可能エネルギーの効率的な利用などを促進する、国家プロジェクト
<出典:HONDA 公式サイト>
この開発にはどんな意味があるのか?
このコラムにも何度か書いてきましたが、2020年以降、自動車を取り巻く環境は大きく変化してゆきます。北米、欧州、中国では本格的な環境規制が始まり、ガソリンやディーゼルエンジン搭載のクルマはもはや公道を走れない状況になる日が近づいてきます。
日本のメーカーはお家芸ともいえるハイブリッド車の開発で、環境規制への対応を進めてきましたが、やはり外交、国際協調の側面から。これまで世界で広く支持されてきた日本車に対する抵抗感は強く、ハイブリッド車は環境適応外の位置に追いやられてしまうという窮地にあります。
こういった国際情勢の変化を踏まえて、これまで世界をリードして来た日本のクルマメーカーも、EV電気自動車の開発に注力せざるを得ない状況にあります。
そんな中でいち早く市場をリードしているのが、日産リーフ。
ホンダはややEV車開発に遅れをとった感があり、巻き返しを示すためにもこのアーバンEVの開発、実用化は必須課題。
アーバンEVはホンダのみならず、日本のカーメーカー各社の今後の行方を占う意味においても、試金石となる重要な役割を持ったクルマと言えます。
アーバンEVとはどんなクルマか?
1.街乗りに快適なコンパクトカー
アーバンEVコンセプトの車両サイズは全長3890mmのBセグメントサイズ。これはホンダが発売するコンパクトハイブリッドカーである、フィットより100mmほど短く、やはり、街乗りを意識したコンパクトカーとして登場することになりそうです。
2.EV車ならではのエクステリア
エンジン搭載車にとってフロントグリルは、構造的にも重要な意味を持ちますが、EV車ならではと言えるのが、フロントグリルはなく、文字を表示する機能をグリルに実装!。ヘッドライトは人気のLEDエンジェルリングイルミネーションとLED点灯式ホンダエンブレム「H」が採用されており、まさに近未来を予感させるフォルムと機能…。
将来はクルマからフロントグリルが消える日が来るのかも知れません。
3.テクノロジーの最先端を行くOA機器満載のオフィスのようなインテリア
インテリアは大型液晶ディスプレイと木目調のウッドパネルをレイアウトしリビング風の空間に仕上げられているもよう。このスケッチを目にして、まるでテクノロジーの最先端を行くOA機器満載のオフィスのようだと筆者は感じました。
関係者によると、
とのこと…。
いよいよAIが自動車技術の先端にも取り入れられることになった模様です。
4.燃料の供給はなく、充電ソケットからの充電で!
当然のことながら、燃料の供給はなく、充電ソケットからの充電がクルマを支えます。
ただ、搭載されるバッテリー容量の情報がなく、どの程度の蓄電が可能なのか?未知の部分…。航続距離が稼げるある程度の容量がないとユーザーの、EV車としての満足度を満たすことはできませんが…。
ホンダ 新型 電気自動車 アーバンEVコンセプトのまとめ
筆者はフランクフルトに飛んで実際にコンセプトカーを目の当たりにしたわけではないので、詳細を体感出来ていないのですが…。スケッチや入手した写真を目にして、確かに新たな時代におけるクルマという印象は受けるのですが、EV車が果たして今まで、ドライバーを魅了してきたクルマ本来の“走りのたのしさを何処まで実現できるか?”が課題…。
どれだけEV車としての機能や装備が充実させても「走らないクルマ、走れないクルマ」を開発してもカーユーザーのニーズを満たすことが出来なければ、それは少し残念なこと。
日産は既にリーフである一定の成果を示していますので、ホンダのアーバンEVがどれだけの成果を実販売段階で示してくれるのか?2019年の登場を期待したいと思います。