三菱ランサーエボリューション…。通称ランエボ…。
初代は、直列4気筒DOHC16バルブICターボのパワートレインを搭載し、長くラリーシーンでも活躍。日本車の中で最も耐久力が強く、頑丈で丈夫なクルマとして、所謂“走り屋”を称する、多くのカーファンに愛されてきたクルマです。
そのランサーエボリューションが、2023年に復活フルモデルチェンジして、クロスオーバー車として発売されるという情報が上がりました。
この情報について、関係先や情報筋に取材を試みたのですが、正直、今の段階で詳細は明らかになっていません。
そこで、今回は様々な仮定を想像しながら、ランエボ2023年復活のシナリオに迫りたいと思います。
目次
事の発端は社長がある雑誌取材に応じたコメントから!
トレバー・マン氏は2016年10月にCOOに就任、販売責任最高経営者として様々な改革に挑んできました。中長期経営計画において、大幅なラインナップの変更や、SUV強化の方針を打ち立て、セダンの廃止を目論んでいます。
詳細は明らかではありませんが、ランエボ復活となると、やはりミドルサイズのクロスオーバーSUVとしての復活が濃厚とみられマン氏も次のようにとある雑誌取材にコメントしています。


<出典:2015年度 第3四半期決算説明会資料>
まだ、筆者としては確定情報を得たわけではないのですが、一部報道によると、2017年10月27日~開催の東京モーターショーでその詳細が発表されるとの情報もあります。
東京モーターショーでランエボ復活の情報がキャッチできるかどうか?注目してゆきたいと思います。
ランサーエボリューション最後のクルマはどんなクルマだったのか?
現行車ランエボはまさにその時代の終焉を予感させるような、“ファイナルエディション”というネーミングで、2015年4月10日から発売されました。
ラリーで培った様々なノウハウやDENAが継承されたクルマはスポーツセダンの最高傑作ともいえるすばらしいクルマであったと、筆者は考えます。
それだけに、この唯一無二ともいえるスポーツ世代がクロスオーバーSUVへと生まれ変わることに対して、筆者は激しい抵抗を憶えるのです。
このコラムにもクロスオーバーSUVの需要に関しては何度も書いてきましたが、乗用シーンが多様化し、様々な人々からのカーニーズ想定される中、こうしたクロスオーバーSUVばかりが増え続けると、個性のあるスポーツクーペやこうしたスポーティーセダンが市場から消え去り、クロスオーバーSUVばかりになることが果たして日本のクルマ文化、クルマ社会にとって良いことなのか?疑問を感じずにはいられないのです。
大予想!ランサーエボリューションクロスオーバーSUVへの進化
COOの発言以来、いろいろと取りざたされてはいますが、詳細なスペックやエクステリア、インテリアに関する情報は入手できていません。
従ってこれからは筆者の勝手な想像と、新しいクロスオーバーSUVへの期待を込めてこんなクルマであってほしいという内容で書き進めてゆきたいと思います。
この写真は、アメリカの電気自動車メーカーであるテスラモーターズは、クロスオーバータイプのSUV「モデルX」。ガルウイングが特徴的な、実に個性と主張のあるエクステリアデザインになっています。
もし、ランエボが進化するならば、これくらい大胆なエクステリアの変化をしてもらいたいというのが筆者の希望です。
パワートレインに関しては、駆動方式に関しては三菱自慢の「S-AWC」が採用されるものと見られますが、エンジンに関してはまだ未定。
あのランエボの狂気のパワーを再現できるようなパワートレインを実現するためには…。
・1.5Lガソリンターボエンジン(SUVエクリプス・クロスに採用されるエンジン)
・2.2LディーゼルターボもしくはPHEV。
もしくは、
・ルノー供給のメガーヌのF4R型2.0Lターボエンジン
を期待したいところです。
三菱 新型 ランサーエボリューションのまとめ
マンCOOの発言は単なる思い付きではなく、これからの日本市場の趨勢に応じた対応と言えるのでしょうが、2023年とはどうにも先の長い話…。その間にクロスオーバーSUV市場が飽和し、結局、売れないクルマが続出する結果になる可能性もなくはありません。
更に、繰り返しますが、ラリーカーとして培ってきたあの力強く機微な走りを果たして、スポーティーセダンとして継承しなくてもよいのか?という点に関しては疑問が残ります。
市場のニーズに応じてクルマを進化させることは重要かもしれません。
であるならば、ランエボの個性が失われることなく、その耐久力が強く、頑丈で丈夫なクルマである部分は継承し、更にその走りを磨いてほしいものであると筆者は願います。