<写真は新型モデルの原型となると予測される欧州モデルのプロエース>
トヨタハイエースに関しては以前5型のモデルチェンジのコラムをここで紹介しましたが、今回は2019年に発売予定が噂される、既に欧州で発売になることが予測される新型プロエースをモデルとした新型300系の行方についての情報について述べてゆきたいと思います。
ハイエースは、様々な用途によってさまざまな種類のクルマがラインアップされる(ロング、スーパーロング、ワゴン、ライトバン、コミューター=マイクロバス)商用を中心とした大型バン。
国内を問わず国外でも人気が高く、更にその用途から高級セダン以外で盗難にあう確率の高いクルマでもあります。
今回は、2019年発売になるのではと噂される、この新型300系の情報に迫ってみたいと思います。
目次
進化はキャブオーバー型からセミボンネット型へ?
<写真は現行車>
しかし、前にせり出したボンネットは、正面衝突の際の危険回避にも繋がり、安全上も実に重要な役割を果たしますし、ボンネット部にエンジンを格納することが出来れば、荷室のスペースの確保も可能になり、今や時代の趨勢からも、キャブオーバー型の大型ワゴンはどの車種も、セミキャブオーバー、セミボンネット型への移行を図っています。
これまでのハイエースにはボンネットが無かったわけですが、2019年以降発売が予想される新型300系ハイエースはボンネットのある大型バンとして登場することになると予測されます。
300系新型ハイエースのパワートレインは?
新たなるパワーユニットには、既にランドクルーザープラドに搭載されている、直噴ターボの2.8Lクリーンディーゼルエンジン(1GD-FTV型)が採用される見込みになっています。
・総排気量:2,754cc
・最高出力:130kW(177PS)/3,400rpm
・最大トルク:450Nm(45.9kgm)/1,600~2,400rpm
・内径×行程:92×103.6mm
・圧縮比:15.6
今のところ、ハイブリッドやプラグインハイブリッド(PHV)車の導入の見込みはない模様。その背景には商用ユースで荷重搭載力の高さ、航続距離の長さとハードユースにも対応可能な耐久力が求められるから…。
ハイブリッドやPHVは構造上の問題もあり、航続距離の不安は断ち切ることができませんし、まだまだ耐久力には疑問があるということで、この車種への投入は持ち越しとなった模様。
ただ、これから国際的な環境適合を図るためにも、ハイブリッドやPHVの耐久性強化に務め、この課題をクリアする必要があると筆者は考えます。このクラスで、ハイブリッドもしくはPHVが投入され、燃費効率の改善がなされ、安全性も確保できれば鬼に金棒…。
一朝一夕に開発は進まないと予想はされますが、ハイエースオーナーの願いはそこにあるのではと筆者は期待します。
300系新型ハイエースのエクステリアデザインは?
冒頭にも述べたように既に欧州での販売が確定となっているプロエースのデザインを踏襲したデザインへと一新されるのではないか?というのが大方の予想です。
ただ、こうしてみると、現行車のような荷室の広さが失われているような気も…。
こちらは一回り小さい、タウンエースの現行モデル。
ボンネット部に然程の面積はありませんが、セミボンネット仕様であり、荷室の面積を確保するために、このような仕様になるのではという情報もあります。
ハイエースに求められるのは、スタイリッシュなデザインよりも、その機能性が失われることがないこと…。
エクステリアのデザイン変更の必要性が然程高いとは思えません。
300系新型ハイエースのインテリアデザインは?
こちらはプロエースの内装…。
このデザインを踏襲するのであれば、ハイエースはかなり洗練された、多少質感の高いクルマへと進化しそうですが…。
やはり重視したいのは機能性。華美に走ることなくシンプルに…。「走る」「運ぶ」を重視した設計に忠実であってほしいと思います。
最近、コラム式のAT車は多数存在しますが、センターコンソールを取っ払った、コラム式MTが復活してもよいのではと個人的には思います。そうすれば、リアシートをベンチシートにして3人の乗車人数のスペースを確保できる…。
ただ、今どきコラム式MT車を扱うことが出来るドライバーがどれだけいるのか?という点を考えれば、多少飛躍過ぎかもしれませんが…。
300系新型ハイエースの安全装備は?
今のところ、新型ハイエースには、トヨタの衝突回避支援パッケージのトヨタセーフティセンスPが装備されることが予測されています。
こちらの安全装備に関してもこのコラムで何度も取り上げていますので、その概要をかいつまんで列記しておきます。
万が一、車や障害物との衝突が迫った場合は、ブザーとディスプレイにてドライバーに警告その際にブレーキ操作があった場合はブレーキ力のアシストが入ります。ドライバーがブレーキ操作行わない状況でも自動ブレーキがかかり衝突回避または軽減されます。
単眼カメラによって道路線を感知。
ドライバーがウィンカー操作を行わないで車線逸脱の恐れがある場合は、ブザーとディスプレイ表示で注意を促して車線逸脱の危険をお知らせします。
搭載された単眼カメラによって周囲の明るさや先行車のブレーキランプ、対向車のヘッドランプを感知して自動的にハイビーム・ロービームを切り替えます。
搭載されたセンサーによって先行車との車間距離を自動的に保って、ドライバーがセットした速度内で減速・加速をしてくれます。
ブレーキペダルを踏んで停止している状態で、先行車が発進して4メートル以上離れたらブザーとディスプレイ表示でドライバーに教えてくれます。
新型 300系 ハイエース 予想ボディサイズ
全長:ロングバン:4,950 スーパーロング/ワイド:5,450
全幅:ロングバン:1,750 スーパーロング/ワイド:1,900
全高:ロングバン:1,950 スーパーロング/ワイド:2,250
荷室長:バン2,700 スーパーロング 3,300
荷室幅:バン1,530 スーパーロング 1,650
荷室高:バン1,320 スーパーロング 1,700
[単位]全長・全幅・全高・ホイールベース:mm
トヨタ 新型 300系 ハイエースのまとめ
ハイエース…。それは商用がベースにある、長い航続距離と高い耐久力を誇る、ヘビーユースに対応できるクルマであることが重要な要件。モデルチェンジによってそれらが損なわれることがあっては絶対にいけない…。
だから、エクステリアやインテリアの変更よりも、その他スペックが充実することが大切。パワートレインも、環境に適合し、更に燃費効率の向上に期待したいですし、セーフティセンスPのような安全装備の充実も頼もしい限り。
ただ、前回5型の時にも触れましたが、その用途から車上荒らしや盗難にあう機会が最も多い車種とも言われており、標準装備として、盗難防止技術の向上は必須では?筆者は思います。
まだまだ課題満載の商用バンモデルの進化ですが、とにかくこのクルマを必要とする人々にとって歓迎されるモデルチェンジを果たしてほしいと筆者は考えます。